旧車の思い出
第四章
トヨタ1600GT(RT55型)いわばトヨタ2000GTの弟分的存在。型式名のRT55は、マニアは「RTゴーゴー」と呼ぶ.美しい結晶塗装のカムカバーを持つ9R型DOHCエンジンは、定番のツインチョーク・ソレックスキャブレターを2連装、最高出力110PS/6200rpmをマーク!
ボディ重量1030kgに対しパワーウエイトレシオは10kg/psを割った。ギアボックスは標準仕様は4速、オプションで5速が用意されていた。外観では、トヨタ2000GTと一脈通じる三角型エンブレム、タルボ型ミラー、サイドにプラスしたエアアウトレットなどで、精悍な印象を与えた。
パワートレーン系もヘビーデューティ化。強化クラッチ、LSDなどを採用。サスペンション系もスタビライザーやトルクロッドを追加して強化。レース仕様ではスカイラインGT-Rのデビューまではクラス最速のマシンとして君臨していた。アローラインの名で親しまれたRT51型コロナハードトップのボディに9R型DOHCエンジンを搭載した高性能スポーツモデル。
しかし、わずか13ヶ月で生産が中止されマークIIの高性能仕様『1900GSS』に(系譜上)取って代わられた。

トヨタ2000GT
60年代のトヨタが、その技術力の象徴として開発した2000GTは流麗なスタイリングや入念な仕上げ、Y型バックボーンフレームに4輪ダブルウィッシュボーン・サスという高度なシャシ、ヤマハとの協力の下に生まれた3M型ツインカム6気筒など、当時のトヨタが持てる技術のすべてを駆使した意欲作だった。このトヨタ2000GTは、1965年のモーターショーでプロトタイプがデビューした後、第3回日本GPへの参戦や谷田部でのスピードトライアル(3つの世界記録を樹立)などの熟成を経て、67年に市販が開始される。2リッター直6ツインカム150PSでマキシマム220km/hというそのスッペクは、まさに世界第一級のものに仕上げられていた。
日本を舞台にした映画「007は二度死ぬ」にも「出演」し、ショーン・コネリー扮するジェームズ・ボンドを乗せて走り回った。このためボンドカーと言われることがあるが、2000GTはジェームズ・ボンドのためにイギリス秘密情報部が用意した特装車ではなく、丹波哲郎率いる日本情報部の車という設定であるため、厳密にはボンドカーではない。

セリカ1600GT
日本で最初のスペシャリティカー(実用性そしてドライブの楽しさやオリジナリティを求めたクルマ)の誕生だった。搭載されたエンジンは直列4気筒DOHCの2T-G型。排気量は1588cc、最高出力115psでトヨタの量産DOHCエンジンの先駆的存在となった名機である。セリカシリーズには用意されたエンジン、ギアボックス、内装、外装などをユーザーの好みでオーダーするフルチョイスシステムが採用されていたが、1600GTだけはこの2T-G型DOHCをはじめ、独特の内外装はすべてGT専用装備となり、下位グレードのLT、ST、ETにあったフルチョイスシステムは採用されなかった。1600GTには、ブラックのハニカムグリルやGTのロゴ入りサイドスライプ、黒一色の内装などで精悍さを強調、ギアボックスも5速MTのみで、パワーウインドーや合わせガラスも標準装備されていた。
実際に71年11月のオールスターレース、72年3月の全日本鈴鹿自動車レース、グランドチャンピオンシリーズ第1戦でクラス優勝、4月のレース・ド・ニッポン、5月の日本GPと鈴鹿1000km、7月のオールスターレース、11月のツーリスト・トロフィー・レースでいずれも総合優勝を飾っている。また海外レースでも72年、73年のRACラリーで連続クラス優勝を飾ったのをはじめ、74年の南アフリカ・ トータルラリー総合優勝、ニュルブルックリンク・ツーリングクラス優勝、74年、75年のマカオグランプリ連続総合優勝と、レースやラリーで輝かしい戦績を残している。
そして73年4月にLB(リフトバック)シリーズを設定するが、排ガス規制の強化で75年11月から、2T-G型はしばらく生産中止という憂き目にあうことになった。

カローラレビン
初代(TE27型)1972年3月に登場。カローラレビンは、カローラクーペの「SL」や「SR」よりスポーティな「ホットモデル」として登場した。当時は「普通の」カローラにもクーペモデルが存在したため、ボディタイプでの区別ではなく高性能バージョンとしての位置づけであった。カローラクーペとは、樹脂製オーバーフェンダー(生産時期によっては金属製の物もある)の有無で区別できる。両側にタコメーターとスピードメーターを配し、中央に電流/油温/油圧計のコンビメーターが付くインパネ。フットレストが標準装備され、シートはスポーツシートが採用された。高回転用に、4バランスウエイトの5ベアリング支持などの対策がなされた2T-G型エンジン。このエンジンの持つスペックはセリカと同じで、最高速度は190km/hを記録した、エンジンは上位車種ではあるが、成り立ちはカローラ派生の、セリカ1600GTから移植された2T-G型1600ccDOHCエンジンが搭載された。正確に言えば、レギュラーガソリン仕様の2T-GR型(110ps)と有鉛ハイオクガソリン仕様の2T-G型(115ps:グロス)が設定されていた。1973年4月のマイナーチェンジの際に追加された「レビンJ」には、ツインキャブの2T-B型
1600cc OHVエンジン(105ps)が搭載されていた。「J」は「ジュニア」スプリンタートレノにも同様のモデルが設定された。

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